#028「衣装係の集い」
【衣裳係】(いしょうがかり)
定期演奏会での係のひとつ。
定期演奏会では、部員ひとりひとりに「定演用」の役職が与えられる。
部員全員が力を合わせて初めて成功する、それだけ定期演奏会とは大きいイベントなのである。
衣裳係は定演で部員が着る衣裳の手配をする係。
比較的負担の軽い係だと言える。
【スコア係】(すこあがかり)
定期演奏会の係のひとつ。
定演用の譜面を手配したり管理したりする。
ステージにあわせた譜面台の配置も担当している
(このあたりの業務内容は学校によって差がある)。
衣裳係より煩雑な業務内容だが、地味な係である。
【チケット係】(ちけっとがかり)
定期演奏会の係のひとつ。
有料の定演チケットを売りさばかなければならない。
ノルマが達成できなかったら、その分のチケットは自腹で強制購入させられるなど、 学生でありながら「営業」の辛さを体験できる過酷な係である。
恐らく1年前の田中は、定演に誘う友達もおらず、身内(両親と兄弟) にチケットを購入してもらってそれ以外は身銭を切ってノルマを凌いだと思われる。
その他の定演限定係は会計係、会場係、広告係、写真係などがある。
【Tシャツ】(Tshirts)
T字の形をしたシャツの一種。
定演は大抵、2部や3部といった複数の構成になっており、 1部は制服だったりフォーマルな格好で堅いクラシック、 2部ではカジュアルな衣裳でポップスを演奏するなど雰囲気を変えて メリハリをつけるのが定番になっている。
2部や3部ではかなり遊びの幅があるので 部内やパート内の個性の発揮させ甲斐があるのだが、 羽目を外しすぎないように注意が必要である。
【イケメンが言うと説得力あるなあ】(いけめんがいうとせっとくりょくあるなあ)
言動や行動は同じでも、発信元の顔面偏差値で説得力に違いが生じる現象。
言うまでもなく説得力があるのは、顔面偏差値の高い方である。
その差を忘れて顔面偏差値の低い者が勘違いしないよう、 注意を促す言葉として「※ただしイケメンに限る」が生まれた。
この注釈を語尾に入れるだけでどんな文も切なさを煽られるが、 なかでも「男は顔じゃない、中身だ。※ただしイケメンに限る」 などは群を抜いて残酷である。
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