#027「恐怖の初見合奏」
【赴任式】(ふにんしき)
年度を改め、新しく入ってきた教員を迎える式。
着任式ともいう。
反対に今年度から別の学校に行く教員を送り出す離任式と 同時に行う場合も多い。
吹奏楽部は一般生徒から隔離され、校歌や国歌などを演奏している。
【ローズティー】(Rose tea)
バラの花びらを使用したハーブティー。
更年期障害の症状緩和や、精神を穏やかにする癒しの効果もある。
つまり、「ほっこり」とした気分になれる。
権田教頭のように、音楽を聴きながら香りや味を楽しむ人も多いだろう。
【変拍子】(へんびょうし)
一般的な曲の拍子は「タン・タン・タン・タン」の4拍からなる4/4拍子、
「タン・タン」の2/4拍子や「タン・タン・タン」の3/4拍子であるが
それ以外の変則的な拍子のことを本編では指している。
今回宍戸たちが合わせた曲は更に変拍子から別の変拍子への切り替えも要求されている。
これは、カラオケでアイドル編成ユニットの曲をソロパートで各アイドルそれぞれに似せるように 切り替えて歌うくらいのハイレベルな難易度である。
【初見】(しょけん)
読み込みや事前練習などせず、初めて見た楽譜をそのまま演奏すること。
今回の例のように突然フられたり、「すっかり合奏する予定を忘れて、楽譜を配られたまま放置していた」と いった自分都合だったり、原因は様々だが往々にして初見合奏を強いられる場面はある。
初見合奏は本人の性格や実力など、資質が浮き彫りになりやすい。
【完全に迷子】(かんぜんにまいご)
譜面が追いきれず、演奏中取り残されてどこを演奏しているのか分からなくなってしまうこと。
休符(演奏しない箇所)が続くと、再び入る場所がどこなのか分からずこの状態に陥ることが多い。
もしくは合奏指導中、ボンヤリとしていて指揮者の指示を聞き逃してしまったときも同様の状態になる。
自分は吹けていないにも関わらず、曲が荘厳に鳴り響いている焦燥感は筆舌に尽くしがたい。
迷子状態から完全に脱落して再起不能になることを「オチる」ともいう。
【楽器の調子が悪いフリ】(がっきのちょうしがわるいふり)
音が出ない、指が動かない、譜面が追えない、といった演奏者の落ち度を 「楽器」に転嫁させる奥義。
由利が発動したスライドが動かないフリを始め、 金管楽器はピストンがあがらないフリ、 木管楽器はリードの機嫌が悪いフリなど、楽器によってフリのバージョンは異なる。
【素晴らしい演奏でした】(すばらしいえんそうでした)
どう贔屓目に見ても完成されていない演奏に対して、指揮者が皮肉2割冗談8割で投げかける言葉。
類義語に「もう完璧ですね」「よくできました」などがある。
場の空気によってはただの嫌味になってしまう。
この言葉を受けて演奏者が笑ってくれるかどうかは、指揮者の人格や楽団の雰囲気次第。
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